アメリカのネット通販大手アマゾン(Amazon)は、自律型ドローンによる配達サービス「Amazon Prime Air」をカリフォルニア州で開始した。しかし、空中で商品が盗まれるトラブルが相次いでいるという。
「Amazon Prime Air」は、注文から30分以内にドローンが商品を届けてくれるサービスだ。配送用ドローンは5ポンド(約2.3キログラム)未満の荷物を30分以内に顧客に運ぶことができ、その飛行距離は最大15マイル(約24キロメートル)だ。
しかし、このサービスの開始からわずか数日で、空中で商品が盗まれるトラブルが報告されている。盗難の手口はさまざまだが、主なものは以下の通りだ。
・別のドローンを使って、配送用ドローンに近づき、荷物を奪う。 ・銃や石などで配送用ドローンを撃ち落とし、荷物を奪う。 ・釣り糸やネットなどで配送用ドローンを引き寄せ、荷物を奪う。 ・レーザーなどで配送用ドローンのセンサーやカメラを破壊し、制御不能にさせて荷物を奪う。
アマゾンはこの問題に対して、「配送用ドローンには高度なセキュリティ機能が搭載されており、盗難や妨害に対しては迅速に対処する」とコメントした。しかし、実際には効果的な対策が取られていないという声も多い。
一方、盗難被害に遭った顧客は、「商品が届かなかったら返金してもらえると言われたが、それでは不満だ」と不満を漏らす。また、「空中でドローン同士が衝突したり、落下したりする危険性もある」と安全性にも懸念を示す。
アマゾンは「Amazon Prime Air」のサービス提供範囲を今後数カ月から数年で多くの顧客に体系的に拡大していく予定だが、空中での商品盗難問題は深刻化する可能性がある。アマゾンはこの問題を解決するためにどのような対策を講じるのだろうか。