神奈川県横浜市の佐藤一郎さん(75)は、車検切れの車を売りに出したところ、買い手が自分の孫だったという驚きの出来事があった。
佐藤さんは、10年前に亡くなった妻との思い出の詰まった車を手放す決心をした。インターネットで車を売るサイトに登録し、車の写真と状態を掲載した。すると、すぐに問い合わせが来た。電話で話した相手は、若い男性で、車の詳細を尋ねてきた。佐藤さんは、車検が切れていることや、エンジンがかかりにくいことなどを正直に伝えた。それでも、男性は興味を示し、見に来ると言った。
翌日、佐藤さんの自宅に男性がやってきた。ドアを開けると、佐藤さんは目を疑った。男性は、佐藤さんの孫である佐藤大輔さん(25)だったのだ。大輔さんは、佐藤さんの息子の長男で、大学卒業後に東京に就職し、なかなか会えない関係だった。佐藤さんは、驚きと喜びで抱きついた。
大輔さんは、車が好きで、古い車を探していたという。インターネットで見つけた車が、祖父のものだとは知らなかったという。車を見て、祖父の思い出がよみがえった。大輔さんは、車を買うことを決めた。佐藤さんは、車をタダで譲ると言ったが、大輔さんは、市場価格の半額で払うと言った。二人は、握手をして、契約を結んだ。
佐藤さんは、車を手放すのは寂しいが、孫に引き継ぐことができて嬉しいと言った。大輔さんは、祖父の車を大切に乗ると誓った。二人は、車でドライブに出かけた。車は、祖父と孫の絆を深めるきっかけとなった。